ネットを間に…

V2副会長  2010-01-31投稿
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練習後、瀬戸は一人熱心にストレッチをしていた。

「手伝うよ」
忘れているだろうと思いつつ声をかけたが、瀬戸は素早く立ち上がり会釈と共に手を差し出してきた。

「お久しぶりです」 「…覚えてた?」 「もちろんです」 瀬戸はこちらを変わらず先輩として立ててくれるつもりらしい。

「ところでさっきの挨拶もっと当たり障りないのなかったのかい?」
「?あぁ、前移籍してきた奴の真似です。かっこ良かったので」 瀬戸が前所属していたサンダーズは3年連続優勝の常勝チームだが、うちは一昨年ようやく1部昇格したばかりのチームだった。

「うちで力試したいっておかしいだろ?皆になめてんのかと思われるぞ」
瀬戸はキョトンとして首を振った。
「すいません。俺考えなしにしゃべるくせがあって…怒ってるんですか?皆さん」 「……」

嘘をついているようには見えなかった。初めどうなるか心配だったが、瀬戸と同期の八嶋に彼を押し付けても問題はなさそうだ。その方が、彼に余計な気を使わせずに済む。 「まぁ、しばらくは大人しくしてろよ。瀬戸には分からないだろうけどうちには、ひがみっぽいのが多いから」 「はぁ…。あの、和田さん今いいですか?」 行きかけた和田にボールを放ってよこした。 「トスお願いします。」お辞儀した瀬戸は返事も聞かずアタックラインへと下がっていった。



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