光「…2人行っちゃったな」
慶「…そうやな。」
光「追いかける?」
慶「……いいや」
2人は歩き出した
光「…あのさ、聞いてもいい?」
慶「ん?」
光「…拓朗のこと、なんて呼んでる?」
慶「拓朗くん?」
光「じゃあ翼」
慶「翼くん」
光「美弥」
慶「美弥姉とか?…なあ、」
光「じゃあ……秋奈は…?」
慶「秋奈やけど…?なあ、何で?」
光「いや、ちょっと気になって…あんたは翼とか年上にはくんとかつけて、しかも中途半端やけど敬語まで使ってんのに…秋奈だけはちゃうなって…」
慶「ああ、別に意味はないよ。そうしてって言われたからそうしてるだけ。自分だって…」
光「…ちゃう」
慶「え?」
光「うちにも“なあ”とか“自分”じゃなくてちゃんと名前があんねんけど」
慶「え…ああ、じゃあ…“光希さん”?」
光「も〜!何でそんな距離感あるん!」
慶「じゃあ…“みっちゃん”」
慶太郎がにやっと笑う。
光「…それ、なんか嫌なの思いだすねんけど?」
慶「じゃあ…」
秋「けえちゃ〜ん!ごめんっ!行こうっ」
慶「ああ、うん」
秋「…」
光「…」
光希は一瞬秋奈と目があった気がした