「なんでそんな汗かいてるの…?」
あたしは涙まじりに問い掛ける。
「今さら…?」
「だって…」
"はぁ"っていうため息が聞こえてきた。
「着いてきてるかと思って振り向いたらいないから」
「探してくれたの?」
あたしは目を丸くして聞いた。
「だってなんかあったら責任感じますから」
「なんで…」
「え?」
あたしの声が聞き取れずに聞き返してくる。
「ほっといてくれて良かったのに…!」
―かわいそうね
―まだ30歳でしょ?
「は?」
「そんな事してアンタが事故にでも遭っちゃったらどうすんのよ!」
―娘さんを探してたんだって…
気付くとあたしの頬にはまた涙が伝っていた。
「落ち着けって…」
「…っ」