初めて手を繋いだ日
手と手の温もりで想いは溢れ出した
大きなあなたの手に包まれた私の右手は
あなたが好きだと
離さないでと言っていた
これが最後だと分かった日
繋がれた手が寂しいと言っていた
あの日と変わらない温もりを感じるのに
悲しさが溢れ出す
こんなにも近いのに
触れ合っているはずなのに
何処か遠くて
壊せない何かをお互いが知っている
悲しくもはかなくて
手と手の温もりが二人を引き裂いて行く
何を求めて出会ったのだろう
何の為にこうしてあなたと歩いたのだろう
離さないで
そう言えたとしても
あなたが笑って頷いてくれたとしても
それは真実ではないと分かっている
だから言えなくて
ただあなたの背中を見守ることしか出来なかった
離された右手を握りしめて泣いた
あなたの大きな左手も
見慣れたあなたのその背中も
この瞬間で他人になる
始めから別れが来ると知っていながらもあなたを愛したのは
先の苦しみよりも
光のない未来よりも
それ以上に自分の愛を大切にしたかったから
まだ私にはこんなにも人を愛せる力があったのだと知ったから
それが嬉しかったから
そして
あなたが私を愛してくれたことが何よりも嬉しかったから
二人が出した答えならば
それが正しい答えだった
愛し合ったことも
終止符を打ったことも
あなたも私もさよならを口にしなかったのは
また遠い未来で出会えると思ったから
例えあなたがそうでなくても
私はあなたもそう思ってくれていると信じたい
私は自信を持って言える
どんなに遠い未来だとしても
またあなたと同じ世界に
同じ時に生まれることが出来たなら
すぐにあなたを見付けると
今以上にあなたを愛すると
そしてあなたの手を握って言いたい
『久しぶり』
笑って言いたい
もう離れることはないように
『やっと会えたね』