Full Moon〜願事〜

ふく  2010-02-02投稿
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君が僕を好きだと言ってくれた時
僕は君を友達以上に見れなかった
僕が君を好きだと気付いた時
君はもう他の誰かの所へ行ってしまった

すれ違いだらけの僕等だった
僕は自分を責め
君は僕を責める事は一度もなかった
せめて君が僕を責めてくれれば未練を残す事はなかった
綺麗な思い出も薄れた
それも言い訳でしかない

初めて君に会った日を思い出す
良く笑う子だった
誰からも愛されていた
君を好きだと言う奴は何人もいた
そんな君が僕を好きになってくれた
何も強要せずにいてくれたから僕は自由でいられた
それが心地良かった
側で笑っていてくれた
色んな話をしてくれた
頭の回転が悪い僕と頭の回転が良い君
だから何か良かった
君の話は面白かったし僕も笑っていられた
気が強い君
何処か謎めいていた君
たまに見せる弱さ
男の中にいても何故か違和感がなかった君
魅力的だったよ
思い出せば思い出す程に想いは強くなるばかりで
どうしようもないのにと溜息をついて空を見上げた

綺麗な満月

君から告白された日
あの時もこんな空だった
傷付けた事も君の気持ちもごまかすように空を見上げ君に言った
『満月だよ』
その言葉に君も空を見た
少し笑って君は僕を見た
『違うよ』
『いやそうだって』とムキになる僕に『違うよ少し欠けてるじゃん』と君もムキになって返した

くだらない言い合い
君にとってはどうでも良かった事だったはずなのにそんな言い合いに君は笑っていた

懐かしく思う
あのやり取りを
もう二度と出来ないのだから
もう一度してみたいのに

今日は本当の満月だよ
きっと君も納得してくれるはずだ

涙が目尻を伝う

『大丈夫』と君のように強くいられたら

こんなにも僕は弱く無力で
こんなにも君を愛してしまった

どうか幸せに
例え本心ではないとしても
いつかは心から君の幸せを願いたい

この綺麗過ぎる程の満月に

たくさんの幸せを君に

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