私が貴女を殺してあげる
いつも美しくありたがっていた貴女を…
私が最も美しく綺麗なままの
貴女を殺して
ホルマリン漬けにしてあげるから
貴女は言っていましたね
「きっと歳をとったらお互い忘れてしまうのだろうね」
私は年老いても
貴女を忘れないよ
ホルマリン漬けの貴女を眺めながら
いつも思い出してあげる
いつも私がすぐそばにいてあげる
歪んでしまった愛の形だとしても
罪の意識に
どれだけ苛まれたとしても
たとえ「生きる」という
罰を背負ったとしても
冷たい足枷を嵌められたとしても
私はいつも貴女の傍にいて
守ってあげるから
だから
だから泣かないで…
どれだけ年老いたとしても
ホルマリン漬けの貴女の前に
大きな揺れ椅子を置いて
私が守ってあげる
思い出は作らずに
貴女との過去だけを
思い出しながら
いつまでも一緒にいてあげる
寂しがり屋の
貴女のために…
罪を贖い罰が終わったら
私の亡骸を
貴女の傍に置いて
大きなファザークロックの鐘を聞きながら
貴女の世界へ逝ってあげるから待っていて…
寂しがり屋の貴女の
ために…