あの時、あなたは何を言おうとしていたのですか―?
「ごめんね…あたしがあの時電話に出てれば…」
「もう良いってば!結果無事だったんだからさ!!」
あのお祭りから次の日。
香菜はあたしが電話した時わざと出なかった事をすごい後悔してるみたい。
「てかそれより、あの高峰智があたしに笑顔を見せたのよね…」
「うーん…愛美も少しずつ信用されてるって事なんじゃないの?もう一歩だよ!」
「うん」
香菜はガッツポーズをした。
でも自分でもそれは感じていた。
―信用されてるって事なんじゃないの?
気のせいかもしれないけど、今日朝会ったときのオーラがなんか前と違う気がした。
「中村さん、休憩終わりだって」
ほら。今もちゃんと目を見てくれた。
いつもだったら目を合わすどころか顔すら見てくれない。
「はい」
あたしはそう言ってお店に戻っていった――。