王様は部屋に入ってくるなり上機嫌にトーコに話しかけた。
そして姫様にもねぎらいの言葉をかけた。
その後でゆっくりと王様の椅子と見られる椅子に座った。
トーコをじっくりと見たかと思うとおもむろに言葉をかけてきた。
「鏡の向こうのトーコよ。
まずは鏡の説明をしよう。
こちら側、今いるここから見た鏡の向こう側にトーコがいたことになる。
鏡を見てトーコのことは産まれた時から知っていた。
そして時が熟すまで待っていた。
トーコの母がトーコを守っていた。
その母が亡くなってトーコは守られる人を失い危険な状態になった。
本当はすぐにでも迎えに行きたかったのだが…。
時空と世界を渡るのは簡単なことではなく時間がかかってしまった。
まぁその力を持っているのはこの国では姫1人。
そして鏡の向こう側ではトーコ1人。」
そこまで話すと王様は一息入れるかのように紅茶を飲んでトーコに聞いた。
「ここまでの話は理解できるかな?」
トーコははてなマークばかりで唖然とした。
その姿を見て王様は声高らかに笑った。
「そんなに緊張せんでもいい。
大切なのはこれからじゃ。」