『俺と付き合って』
もてないって思ってた高校生活。初めて男の子から告白された。
あたしは、千葉の公立高校に通う17歳。普通の女子高生。
告白がメールでっていうのは少し気になった。どうせ告白されるなら、やっぱり直接会って言ってほしいってゆうのが女心。
この男の子柳瀬 智哉は、まだまだ女心をわかってないんだね。
なんだかんだ不満もありつつ、部活動のテニスに明け暮れる高校生活の毎日の中に恋っていう甘いピンク色なんてのを付け加えてみたくて
『いいよ』
なんて軽い気持ちでオッケイしてしまった。そもそもそれが間違いの始まりだったんだと思う。
智哉は同じクラスの男子で、ほんの1ヶ月前くらいに隣のクラスの安西 舞子と別れたばかりだった。別れて短期間で、あたし山口 未亜に告白してくるなんて…もしかしたら軽い男なのかも?っていう不安もあったけれど、親友の安部 佳代子に
「不安でも未亜が好きならがんばってみればいいよ」
って押されて、がんばることにした。
なにせ、部活一色だったあたしを智哉は
「がんばってる未亜が可愛くて好き」
なんて言ってきたもんだからさ。
男子にもてたことのないあたしは、コロッと好きになってしまったわけですよ。
そんなこんなであたしと智哉は付き合うことになった。
高校で初めての彼氏。
これからあたしはどんなピンク色に染まるんだろうと、期待に胸を膨らましていた。