オレンジ  2010-02-05投稿
閲覧数[467] 良い投票[0] 悪い投票[0]



気が付くと
彼女が転がっていた

気が付けば
僕は涙を流していた

頬をつたう涙が床に落ちる冷たく転がっている彼女に落ちる

魂がなくなった君は
何も言わないけれど
甘えて話しかける君より
とても素敵だ

そして僕は彼女を
しっかりと抱き締める
僕の心はとても満たされて幸せだった

体温を失った
冷たい抜け殻の身体を

ずっとずっと
いつまでも抱き締めていた


そこで目が覚めた

いつもの朝

僕の横で彼女は
微笑んで甘えてくる

繰り返される日々
僕はとても気に入ってる
満たされてるから

感情的で情熱的な
彼女が愛しい

だけど…今朝見たあの夢は

あの不可解な充実感は
あの例え様もない安堵感は一体何なのだろう

夢は鏡の様に
自分の欲望を映し出す

本当に…そうなのだろうか

僕は本当は
何を望んでいるのだろう


気が付くと
ナイフが転がっていた

気が付けば
僕はナイフを握り締めて…

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 オレンジ 」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ