祈る声は拙くて
淡く霞がかった
白と
私の空は切なくて
壁の向こう側の
色彩が羨ましく感じた
そこには
憤りと呼応する呻きが
犇めき合う
埋樹に種を蒔く
羽をがれた蟲
種は幾つもの色彩を発し
煌いてみせる
夏の空気は
色とりどり変化して
また屑宵を
時煌つつ待ち続ける
陽が昇り朝が来れば
私の美は削がれてしまう
そっと
遠くへ
宵の中の埋樹に咲く
待宵草の色彩が
翅色に煌いている
祈る声は拙くて
夕闇の中の埋樹に
陽射しを恐れ咲いている