暗闇のベールに
針で穴を開けたように
満たし月が
途切れることのない閃光で
私の輪郭を静かに
地に落とす
艶やかさを失くし
茂った樹々の陰に入ると
夜半の太陽は
私の影を濃闇に溶かした
私は標を失ったように
よろめき 蠢き
見えない明日に
動悸を覚え
掴みどころのないベールを
風が吹き
捲れるのを待つだけだった…
煌け…
今夜の満たし月のように
陽が高く昇るのを
待つのではなく
自分の手で濃闇(ベール)を捲ろう
身体に絡みついた
白銀の蔓を
引き剥がすように…