最初に求めたのは
声を出すこと
拘束された小さな身体で
抵抗もせずに
ただ苦しんでいた
勇気を出せば
声を出せば
私に幾重にも
巻きつけられた鎖を
壊すことができたのに…
鋭い眼に私は動けない
鎖だけじゃなく
恐怖にさえも震え
囚われている
ほんの少し
勇気を出せば
掠れた声でも出せれば
微かに指を動かせれば
私は消えなくても良かったのに
私は帰ってこない