「えっ!?」
女性は驚いたような表情で、声を上げた。
「何だ、どうした?」
大人しそうな感じの男性が心配そうな表情で、部屋の奥からやって来た。
「あなた、あの依頼を受けた賞金稼ぎさんが来たみたいなんだけど…」
「何だって!?」
男性も驚いたような顔になって、ザックを見た。
「え…と、来ちゃまずかったですか?」
ザックは不安そうな表情で、頭を掻いた。
「いやいや、まずい事は無いんだよ。ただ、少し意外だったものでね」
「意外…ですか?」
「昨日依頼を出してまさか今日来るとは思ってもみなかったのよ。ごめんなさいね。ささ、こちらへどうぞ」
女性は謝りながら、キッチンにあるテーブルに案内した。
「あ、そうだ、これを…」
ザックは案内されたテーブルの椅子に座ると、依頼書を取り出して男性に渡した。
「うん、これは本物の依頼書だね」
男性は依頼書を確認して小さく頷くと、ザックに返した。
「さて…一応自己紹介をしておこうかな。私の名前はブラウン・ルーシーで、こっちは妻のエミリーだ。よろしく」
ブラウンと名乗った男性はそう言って、右手を差し出した。
「あ…僕はザック・アルバートです。よろしくお願いします」
ザックはにっこりと笑って、ブラウンと握手を交わした。
「どうして私たちの依頼を受けたのかしら?」
エミリーはコーヒーを淹れながら、興味津々といった表情で尋ねた。
「僕の実家が農家だった事もありますし、ここの主人が腰をやったと聞いて…」
そう言いかけて、ザックははっとしたような表情を浮かべた。