「ヨーク」
イーディの声に気付いた僕は、牛小屋に入るための歩みを止めて振り返った。
「…イーディ」
僕は困惑した表情をしていたのだろう。
イーディは言いづらそうに目線を背けていた。けれど、意を決したのか、僕の顔をじっと見つめた。
「ヨーク!ごめん!」
「あっ…キリストのことね。いや、実は僕もその事について考えたんだ。どうすればいいか」
「え?」
「秘密にしてくれる?キリストは、タナーおじさんに秘密にしておくように言われてるんだ」
「そ、それじゃあ…許してくれるの?」
イーディがそう聞くと、僕は照れ臭かったが、こう言った。
「遊んでくれたら、考えてやるよ!」