僕はカウンターにいるウェイターを呼び、
僕はきのことベーコンの和風パスタ、美咲はあさりのクラムチャウダー風クリームパスタを注文した。
「そういえば君は少し雰囲気が変わったね。何というかこう、涼しげで、大人びた感じにさ。」
僕は会話を必死に探した挙げ句、彼女と再会した時のファーストインプレッションを伝えた。
「あらそう。それは良い意味に捉えていいのかしら。」
彼女は冷たく返した。
彼女が冷徹に感じるのは、やはり望未が死んでしまったことが原因なのだろうか。
それとも一人の少女が時間を重ねていくにつれて、必ずしも遭遇する大人への通過儀礼なのだろうか。
「どうなのかな。でもこの年頃の女の子は大なり小なり君みたいに一年で簡単に印象が変わってしまうんだろうね。」
「貴方はちっとも変わらないわね。髪型から何から何まで。」
彼女はフォークとスプーンを器用に使いながら、僕に言った。
「ははは、まいったな。でもまあ僕は男だからね。それにこの髪型だって結構気に入っているんだよ。君もその長い髪を一度、僕くらいまで短くしてみるといいよ。これから夏にかけて、オススメだよ。」