この雪の向こう側に
あいつがいるんじゃないか、と
また俺の名前を呼ぶんじゃないか、と
俺はまだこの白い世界を捜しまわらずにはいられないんだ
春のすべてが俺に微笑みかけたとしても
お前がいないなら
長い長い冬を選ぶよ
あの日から時を動かさないで
数えてみれば
ケンカの数より抱きしめた数が
涙の数より手をつないだ数が
多かったはずなのに
それを越してしまうくらい涙が止まらない
どんなに人混みに紛れても
見つけられたはずなのに
そこにいないのならどうしようもない
どんなに目を凝らしても
もう一度会えるのなら
ずっと離さないのに―\r
この春に雪を降らせたのは
誰だろうか
立ち止まらずにはいられない
上を向かずにはいられない
ぼやけて見えない世界の中に
俺はまた捜してしまうんだ
あいつを―…