おじいさんが言うには…
「昔は作物も豊富に取れ、仕事も沢山あった…だが、今は荒れていてのぅ………。
この村の外れに山が見える…。その山には、女神が眠っていると言われておる。その女神に逢って来てはくれぬかのう…。」
「あの…逢って何をすれば…。」
ナツが質問をすると…。
「逢えば全てがわかる…。」
そう言って、おじいさんが小さい袋を出し、それをトーコに渡した。
トーコはそれを開けようとすると…
「今開けてはならぬ…。それは女神に渡してくれ。ただし、けして自分達で開けてはならんぞ。」
おじいさんはそう言ってまた村の入口へと歩いて行った…。
「ナツ…あたし、なんだか怖いなぁ…。」
トーコはナツの手をギュッと握り、涙目になる。
「大丈夫…。あたし達はきっとやれるよ。ダメだと思ってしまっては、そこで終わり…。でも…勇気を持てば、やれない事はないわ!」
ナツはトーコの手を両手で包み…
「行こう!あの山へ…。そして、女神様に逢って来よう!」
おじいさんに渡された小さい袋を握って、トーコとナツは山へと向かって歩いて行った…。