鳥籠

となりのトトりん  2010-02-10投稿
閲覧数[461] 良い投票[0] 悪い投票[0]

だって寂しいから
涙が出るんだ

寂しいのは
誰のせいでもなく

生きた時間が
素晴らしく愛しいものだから
寂しく感じるんだ

だって悲しくなるから
言わないんだ

過ごした日々は
初夏の朝靄(あさもや)みたいに
幻想的で
思い出そうとすると
手から零れていくから
僕は言わないんだ

時は刹那に煌き
記憶だけを
住家にして生きる

「籠に入れてはいけないよ  優しくしないと逃げていくからね」

だから悲しいんだ
思い出したら
逃げていく
色褪(いろあ)せやすい鳥だから
だって悲しいから
恐いんだ

自分が古くなって
壊れたら

今までの時間は
しわになるだけ…

何かに残して
捕まえておかないと
逃げて行くから…

色も
想いも
成長の痛みも…

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 となりのトトりん 」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ