奈々
「お待たせ、みんな」
そう言って奈々さんと眼鏡を掛けた男の人が食堂に入って来た。
奈々
「みんな、少し話を聞いて」
そう言う奈々さんのかけ声で一同は奈々を見た。
奈々
「状況確認する前に一応、自己紹介しとこうか」
と言った奈々さんは、隣にいた眼鏡を掛けた男の人を指差した。
奈々
「彼は南條善孝(なんじょう よしたか)。
浜さんとこの弟子で私と同じ大学生」
眼鏡を拭き、かけ直すと横柄な態度で頭を下げた。
奈々
「次に楠本琴音と琴葉。
青山さんとこの弟子、高校一年生」
二人は軽く頭を下げると席に着いた。
うーん……こうして見るとどっちが琴音でどっちが琴葉かわからないな……
奈々
「ちなみに見分ける方法は、髪を結んでいるリボンの色。
黒のリボンが琴音、白のリボンが琴葉だから」
という補足のおかげで僕は、ようやく見分けることが出来た。
奈々
「じゃあ…次に彼は、緋山一真(ひやま かずま)。
大平さんとこの弟子、高校一年生」
僕は、緋山を見ると軽く睨まれた。
それを見たヒビキが一言……
ヒビキ
『……何様?』
そう言うヒビキは、緋山を睨み返していた。
奈々
「彼は、里山國和(さとやま くにかず)。
永瀬さんとこの弟子で高校三年生」
里山は‘どうも,と言って頭を下げた。
奈々
「それからそこにいる彼女は、姫野結樹(ひめの ゆうき)。
竹永さんとこの弟子で高校二年生」
姫野は黙ったまま頭を下げた。
さっき悲鳴を上げていた子か……僕はそんな事を思いながら彼女を見ていた。
奈々
「最後に水無月さんとこの弟子、水無月柚姫と桐原達也。
それから付き添いの鷹成裕也。
全員、高校二年生」
奈々がそう紹介するとみんな、僕たちの方を向いた。
‘あれが水無月師匠の弟子か,などいろいろな声が聞こえた。
奈々
「自己紹介も終わったとこで状況確認しようか。
まず佐賀さんの死因は首を切断されたことによるもの……即死だったみたい」
裕也
「切断って……一体、何に?」
奈々
「切り口を見る限り何かに焼き切られた跡があった」
………焼き切られた跡だと!!
まさか………あれが……!!