永久に§14§

夏姫  2010-02-10投稿
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そんな事を考えていた翌日の夜の事だった。
サイから連絡が来た。

『ケータイまだ復活しないんだよ。』

苦笑いを浮かべている気がするサイ。
私もつられて笑ってしまった。

「それは…ドンマイだね。」

ここまで来ると、呆れて何も言えない。

『誕生日も仕事だしや〜。』

「可哀想に。」

このままではサイの誕生日にメールも送れないし、バレンタインデーもチョコを渡せなくなってしまう。
私は思わず頭を抱えた。

『寂しい人間なのや〜。』

返す言葉さえ思い浮かばない。

『俺はそのうち死ぬんだな。』

ぽつりともらしたサイ。
私は、その言葉を聞いて絶句した。

「何でそんな事言うのさ。死んじゃ駄目だよ。サイがいなくなるなんて嫌だからね。」

目に涙を浮かべながらサイに訴える。

『まっ、多分大丈夫だと思うけどね。それに冬は雪が危ないからさ。何かあってからじゃ遅いと思って。』

淡々と話すサイ。

――私はその何かがあって欲しくないから言ってるのに…。

もちろん、サイに伝わる訳がない。

『まっ、ハルのお腹にいる俺の子供を俺だと思ってな。』

――ちょっと待て。今コイツなんて言った?

「子供なんてできてるわけないじゃん!」

『でもまだあの日は来てないでしょ?(笑)』

「そっ、それはそうだけどさ…。」

言葉に詰まり、言い返せない。

だが、お腹にサイの子供がいようといまいと、サイがいなくなって良い理由にはならない。

『まっ、俺の分まで頑張ってね。』

「サイの分までなんか頑張らないから。」

縁起でもない事ばかり言うサイを、思わず叱りたくなる。

「サイが死んだら、私が道連れになってあげるから。」

『そんなの俺が許す訳ないでしょ〜。あと、俺がいなくなっても自分を傷つける様な事はしちゃ駄目だからね。俺の努力が全部パアになるから。』

「…何もしないから、生きてて…。」


今日の会話は始終そんな状態だった。

私には、彼の無事を祈る事しか出来なかった。

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