「お疲れさまでしたー」
今日1日、愛美はずっと
テンションが低かった。
きっと、いや、絶対原因は和樹くん。
「何かあったんですか」
スタッフルームで帰る支度をしていたら、高峰さんが後ろからボソッと聞いてきた。
あたしはどうしようか悩んだけど、
とりあえず高峰さんを
スタッフルームの外に
連れていった。
「なんですか」
「高峰さんが聞いてきたんじゃないですか」
高峰さんは面倒くさそうにしていた。
せっかく教えてあげようとしているのに…。
「で?」
あたしは愛美から聞いたことを
大まかに話した。
「…やっぱり」
「ふぇ?」
高峰さんはなんか呟いた。
何がやっぱり?
「いや、なんでも」
そう言って高峰さんは
スタッフルームに
戻っていった。