「愛美、大丈夫…?」
「うん」
「あ、最近さぁ!bear時間一緒だよね!」
「うん」
「…そーいえば、愛美が好きな歌手のCD明日発売じゃん!買ったら貸してね!」
「うん」
……。
ダメだ、こりゃ。
完全にいっちゃってる…。
♪〜♪〜
―ビクッ
びっくりした…。
急に愛美のケータイが
鳴りだした。
愛美はそのまま、
ケータイを開いた。
はあ…。
どうしたら愛美は
元に戻ってくれるんだろう。
これはやっぱり2人の
問題だから変に首を
突っ込んじゃ
いけないのかもしれない。
でも親友が
こんなになってるのに
放っておけって
言われても無理だし…。
和樹くんは、
bearに来たあの日から
また来なくなった。
愛美とも連絡を
取ってないらしいし…。
はぁ…。
―ガタッ
―ビクッ
あたしがため息をついたら
愛美が勢いよく
椅子から立ち上がった。
それにまたもや
びっくりするあたし…。
「ま、愛美…?どした…?」
愛美はケータイを見つめながら立ち上がったまま。
「…あたし行って来る!」
「は?!ちょっと、愛美?!」
愛美はあたしの言葉を無視して荷物を全部持って走って行ってしまった…。