夜半に落ちる銀の雫は
闇を吸い転がっている
闇に祭られた氷の人形は
眠るように瞼を閉じている
群青の氷は
闇を溶かすように
啜り泣く
ステンドグラスに描かれた
無邪気で惨酷な仔猫と
廃れた憂鬱
幸せよ
こんな夜でも
降りてきてくれますか
闇を吸った雫を
舐めたとしても
幸せよ
こんな夜でも
降りてきてくれますか
時計の針を握る
無邪気さに
恋を信じたとしても
幸せよ
こんな夜にも
降りてきてくれますか
不浄を持つ夜だとしても
腐食した舌を
持ったとしても
幸せよ
こんな夜でも
降りてきてくれますか
浮上を待つ夜だとしても…