リレー小説「ある物語〜15〜」唯沙

唯沙  2010-02-12投稿
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『希望や夢はいつも近くにいて遠くにあるものよ。簡単に手に入りそうで手に入らないもの。』

そう。

トーコの母はそう言ったのです。

トーコはそのことをナツに話した。

ナツはにっこり笑って

「私達なら見つけられるよ。」

明るく答えた。

トーコはナツにいつの間にか信頼をしていた。

トーコより長く生きているナツはトーコのお姉さんのようで懐かしい感じがした。

トーコはナツの肩に頭を寄せて

「そうね。私達なら見つけられるね。」

そう言って胸にかけてあるカギを握りしめた。

「村長さん。この地図をいただいてもいいですか?」

ナツが村長に聞いた。

村長は快く譲ってくれた。

「心の旅人よ。その地図は2人のためにあるようなものじゃ。」

村長はそう言うと地図を筒状の箱に入れてトーコ達に手渡した。

「さぁ行きましょう。私達の行くべきところへ。」

ナツがいつもより頼もしく思えたトーコでした。

2人の旅はこれから始まる。

そう。

心の旅の始まり。

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