『希望や夢はいつも近くにいて遠くにあるものよ。簡単に手に入りそうで手に入らないもの。』
そう。
トーコの母はそう言ったのです。
トーコはそのことをナツに話した。
ナツはにっこり笑って
「私達なら見つけられるよ。」
明るく答えた。
トーコはナツにいつの間にか信頼をしていた。
トーコより長く生きているナツはトーコのお姉さんのようで懐かしい感じがした。
トーコはナツの肩に頭を寄せて
「そうね。私達なら見つけられるね。」
そう言って胸にかけてあるカギを握りしめた。
「村長さん。この地図をいただいてもいいですか?」
ナツが村長に聞いた。
村長は快く譲ってくれた。
「心の旅人よ。その地図は2人のためにあるようなものじゃ。」
村長はそう言うと地図を筒状の箱に入れてトーコ達に手渡した。
「さぁ行きましょう。私達の行くべきところへ。」
ナツがいつもより頼もしく思えたトーコでした。
2人の旅はこれから始まる。
そう。
心の旅の始まり。