昨日の放課後、学校の裏庭で殺人事件が起きた…。
殺されたのは僕の幼なじみで人見(ひとみ)。
警察に話を聞いた人見の母親に僕が聞いた死因の話では、胸に拳くらいの穴が開いていて心臓がえぐり取られて無くなっていたそうだ。
僕は殺人犯の手掛かりを探している。
殺されたのは夕方18時頃だそうだ。
僕も裏庭で死体になっていた人見を発見したのだ。そう…木の上で…あれ?
その後が思い出せないな京に聞いてみよう。
「なあ京。昨日何したっけ?」僕は聞く。
「…覚えてないフリか?」
?僕は「フリ?いや、人見の件で混乱してるのか、昨日の事で思い出せないことがチラチラあってさ。で、何したっけ?」と聞いた。
京は「…警察に自主しないのか?…オレはお前を売るような事はしたくない。だから自主してくれよ。」何を言っているんだろうか?考えてもやっぱりわからない。
「とぼけてるのか?お前が人見を殺したんだ!!」
まさか…僕が殺した?
真実なのか?僕は…人見を殺したのか?
よくわからないが木を調べたら何かつかめる気がした。木を調べる。鳥小屋だ。
鳥は住んでいない。
中に手を入れてみた。
空洞が続いていて木の中まで繋がっているようだ。!!突っ込んでいた手が木の中で誰かに掴まれた!「なんだコイツ!?」恐怖感でいっぱいになった。
現実じゃない。これは…
突然、木は喋りだした。
「…心臓をありがとう。でもまだ足りないよ。」
「次は身体が欲しいよ。」
なんだこの木は?
木の中へ引きずり込まれていく。
僕が話した最後の言葉……「…お前なんで木の中にいるんだ?」
木は答えてくれた。
「木の中にいるんじゃなくて私が木なのよ。2年前、私はイジメが原因でここで自殺した。でも私の遺体は発見されなかった。何故なら私は木の中で死んだから。だけど、木が生きているから私は木に生かされてしまっている。酸素と樹液が私を生かすの。身体は干からびてて心臓も無い。脈も無い。でも生きてるの。昨日は私の魂があなたを操った。心臓が欲しくて。だからね、身体を持って生きている生徒が最近羨ましくなった。だからね、身体と心臓をちょうだいね。そしたら私は生き返るから。」
…そんなことが現実であるのか…だけど僕にはどうすることもできない…。身体は次第に飲み込まれてゆき、やがて意識は遠く離れて行った