・・・・まいったなぁ。俺はあるネット小説の管理人だが投稿者達が延々と連載を載せて困ってる。これじゃぁ文字数の制限をする意味がない。
「読みずらい!」
「決められた枠ないでやるのがプロってもんだ」
しまいには「いつまで続くかわからんのがホントのミステリーだ!!」
などなど、読者からのクレームが殺到してるありさまだ。
そろそろ対策を考えないと読者が離れてしまう。
今日も投稿管理をしていると「私の時間・5」という投稿小説があった。
こんな小説あったかな?探してみるが「私の時間」シリーズなどどこにもない。
読んでみると一人の少女が病気と奮闘する物語だった。
2日後、投稿があった。
「私の時間・4」
その2日後
「私の時間・3」
内容は徐々に少女の体が病に蝕まれていくものだった。
なるほど。連載が「1」になったとき終わりがくるようになってるんだ。
ただ、違和感があった。内容が鮮明すぎる。ここまでリアルに出来るものじゃない。
もしかして、投稿者は自分の境遇を書いてるのかもしれない。
いてもたってもいられなくなり連絡を取ろうと決断しメールをした
「素晴らしい小説ですね?」
返信がくる
「ありがとう」
「すごくリアルですね」
「私の話ですから」
「・・・・」「諦めないで!」
「優しいんですね」
「今度一緒に花でも見に行きましょう」
ナンパしてみた
「・・・・花は大好きです」
それから何度かやりとりがあり、私は彼女に惹かれていた。しかし明日は「私の時間・1」
となる日だった
メールが彼女から届いた
「逢いにきてくれませんか?最後に逢いたい」
「私でよければ」
「あまり時間がありません」
「急ぎます」
住所を確認した。伺うとてっきり病院だと思ったがそこは人が住んでるとは到底おもえない古ぼけた一軒家だった。
「こんにちは〜」
ベルを鳴らしても反応がない。
ドアを開け失礼とは思ったが勝手にあがった。
どこに彼女がいるのかはすぐに分かった。だって小説に書かれてる間取りと全くおなじだったから。
彼女の部屋へ入った。
パソコンは着いているが人影が全くない。
ただ
ただパソコンの目の前には枯れかけた一輪の綺麗なバラがおいてあった。
「君だったんだね」
パソコンの画面には「私の時間・1」
が完結していた
By 爽健美茶