PM5:00
バイト終了。
タイムカードを
素早く打って
向かう先は更衣室。
毎日の事ながら
馴れた手つきで
ご自慢の早着替え。
「お先でーす
お疲れ様でーす」
こんなに急いでる訳を
知ってる仲間達は
呆れ顔。
マッハで長年愛用の
チャリに跨がり
いつものあの場所へ。
PM5:20到着。
あたしの家の近くの
小さな公園の横にある
小さな交差点。
あたしは急いで
公園のベンチに
腰掛ける。
PM5:23。
きっとまた
通るはず―――‥
毎日毎日
そんな期待を抱いて
あたしは此処に居る。
勿論,見掛けない日だってある。
だけど
どうしてだろ‥
この時間帯は
必ず此処に居る。
小さな期待を抱いて
大きな恋心を抱いて
あたしは此処に居る。
あの日――‥
学校帰りに友達と
この公園の
このベンチに腰掛けて
たわいもない会話をしていた。
何気なくあの交差点の
行き交う人達を
本当に何気なく見てた。
その時だったんだ――‥
あんなにも
人が居る中で
一目みて
あたしの瞳は
あの人しか
映さなかったんだ――‥
こんな事って
あるのかな‥
こんな突然に
恋に落ちるなんて――‥
これがあたしの
最初で最後の
【一目惚れ】――――‥