3人はびっくりした。今日も加害者二人が病室の前のベンチに腰かけていた。
事情を聞くと、意識を取り戻した瞬間から落ち着くまで毎日近くにいたい。そして本人に1秒でも早く直接お詫びを言いたい。自分達だけ正月を満喫する事なんて出来ない。と涙を流しながら彼は言った。
出会う場所がこうじゃなかったら絶対良い友達になれただろう。だが、やっぱり今は許せないという気持ちが少し勝ってしまう。
病室に入り花瓶の水を差し替え代わる代わる友美に話し掛ける。
「あけましておめでとう」から、昨日の出来事。父さんは俺に見せたアルバムの件を笑いながら友美に報告してた。俺も小さく「ごめんねっ」と笑いながら呟いた。
手を握った時に昨日気付かなかった事に気付いた。
こんなに手細かったっけ?
よく見ると頬も痩けてた。元気な頃、頬を手で丸めて「たこ焼き」って言ってじゃれあってたのに今は作れない。
左指には指輪がはめてあった。俺が以前ペアで買ったやつだ。指輪もちょっときついって言ってたのに、少し指と指輪の間にゆとりがあった。
涙を流さない事がこんなに難しいとは・・
胸が痛くなる事がこんなに辛いなんて・・