｢でも、こいつが賞金稼ぎだというのは確かだ。リリアの似顔絵を見ている可能性は大いにあるぞ｣
｢…確かにね｣
リリアは小さく唸って、天を仰いだ。
｢目が覚めた後で彼から色々と話を聞いてみたらどうですか？｣
エナンは悩んでいるリリアに助け舟を出した。
｢それもそうね。…はあ、朝から疲れたわ｣
リリアはテーブルに突っ伏して、頭を掻いた。
｢それよりリリア、次の目標の場所はわかったのか？｣
｢ええ｣
彼女は小さく頷いた。
｢ただ、相手の警備が予想以上に厳重なの。やっぱり警戒されてるわ｣
｢…そうか｣
ダリルは残念そうな顔で、小さく息を吐いた。
｢焦らずに行きましょう。相手にこの場所は知られていませんし、こちらには切り札がありますから｣
エナンは銀縁眼鏡を光らせてそう言った後、苦笑しながら、
｢…ただ、リリア…ちょっとその格好はまずいんじゃないですか？｣
と、指摘した。
｢え…格好？｣
｢パジャマだよな、それ｣
ダリルは小さく笑って、リリアの服を指差した。
｢…！き、着替えて来るわ！｣
リリアは自分の格好を見て顔を真っ赤にすると、慌てて小屋から出て行った。
｢うむ！リリアのパジャマ姿を拝めただけでも恐悦至極！｣
ダリルは嬉しそうな表情になりながら何度も頷いた。
｢アホ…｣
エナンは呆れたような顔で、小さくため息を吐いた。
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