思わず、目を見開いてしまった。
呼吸も一瞬止まった……。
繋いだ手から伝わる体温
懐かしい、暖かさ。
「っ………あ…」
―何も言えない。
言葉を上手く使えない。
「………ははっ、固まってる。」
―隼人はそう言いながら私の手を握り続けている。
と、隼人が立つと同時に、強く引き寄せられる。
「痛っ…ちょっ……はやとっ…離せよっ…;」
「やだー」
隼人は首を軽く傾げながらわざとそう言う。
…全然変わらないな。そーいう所………………
「俺さあ」
―と、隼人が急に男らしいマジメな顔になる。
「まだ、別れたつもりじゃねんだけど」
……え?
『……姫依…?』
…真希があたしを不思議そうに見つめる。
はっとクラスメート達の視線を感じ、あたしはカッと照れた。
「離して。」
―あたしはそう言い、隼人の手を振りほどいた。
そして、ため息をついて、そっと言う。
「…終ったんだよ…つーか、あたしは男になんか二度と恋しねえ。」
―そう言うと、ふと涙が出そうになった。
見られたくなかったから、走って教室を出た。
(…二度と、涙なんか流さねぇって決めたんじゃん…
あたし、何で強くなれねぇんだよ…………。)