僕は僕の生きている時間や場所も、どうって事のなかった。
あの日が来るまでは。
「ね、きっと出会った事あるよね」
あの言葉。。
どこかで聞いた事のある。
耳に心地良かった。
いつ出会ったのだろう。
夢の国、お伽話を解釈するかのようだ。
ふと街を歩くと、視線を感じるが誰もいない。
背中をポンと叩かれ、振り向くとそこに、いた。
「私の名前知ってる?
なんで、初対面でいきなり質問か。。
昔、一緒に過ごしていた友人にも似ていたが、聞いてみる。
ぷいと怒らせてしまった。
「でも、しょうがないわ」彼女は言った。
何がしょうがないんだ!
彼女は、時空間の人間で、僕にメッセージを送ってたというのだ。
あぁ、このせちがらい世の中にも、ホワーンとした話しをしてくるのやら。
僕は冬の寒さも関係なく、道端に座った。
隣には例の彼女。
とりあえず、聞いてみる。
「名前は?」
「ジュリア」
「なんで僕について来る?」
「あなたとなら何かわかるかなぁって」
「分かるわけないだろ。オレはなぁ!」
彼女は手で制止。
しかたなく、行動を共にした。
彼女のわがまま気ままには大変だが、なんだか懐かしさや、親しみがあった。
それから、どのくらい経っただろう。
ジュリアと過ごして行く日は楽しくもあるが、結構大変だ。
「君は、本当はジュリアス大王なんじゃない(笑)」
なんて会話。
ばっかじゃない!と跳ね上げる手。
僕は勇気振り絞った。
「君は、ジュリアは僕の夢の目覚めるほんの少し前に現れるよな」
彼女は下をうつむき、コクリと首を縦に動かした。
涙が溢れていた。
ジエンドが迫る様な。
人には聞いてはならない事があるのは知っているし、今までだってそうしてきた。
ジュリアは全てを話そうと決意したのか、僕を呼んだ。
僕はその日断った。
それ以来、彼女は姿を見せない。
郵便ポストに切手の貼られた手紙が入っていた。
「あなたに、気づいてもらっただけで、ここに来てよかった」
大切に保管しても、もう彼女には会えない。