ディアーガそれは、人間の負の感情から創られる生命体。発生源もわからない。
ディアーガは、負の感情を生み出した主を襲う。理由はわからない。
夏休み最後の夜、課題をアイリの手伝いもあって終わらせたのだが、市内でディアーガの発生連絡が安全管理局から来てしまった…
課題を終わり椅子にもたれかけ背伸びをする僕。
「ふ〜なんとか終わらせることができた〜」
「私のおかげね」
「本当に助かっ…!?」
おかしい今耳?に何か聞こえた。
「どうしたの??」
「ちょっと静かに…」
耳をすませる。
「…聞こえていますか?」
僕以外誰もいない部屋から女の人の声が聞こえる…いやこれは念話とかいう奴か!?
「おそらく今のは念話ね。心の中で相手と会話してみなさい」
アイリ曰くやっぱり念話だった。
「あなたは、誰?」
僕は、心の中で相手に語りかける。
「私は、あなたがいる地方の安全管理局のサポートを担当する者…ディアーガを探知するのが私の役目…局長の指示で…ディアーガの発生場所をあなたに教える…」
「五丁目にある銀行駐車場…」
「そこか、わかったありがとう」
彼女の声はどこか冷たく虚ろな感じがした…
生気が感じられない声が気になったが、今はそんな場合ではない。
「アイリ任せるよ!」
「体借りるわよ!」僕の体の感覚がなくなる。
(アイリ! 僕が銀行までの道を案内するよ)
「わかったわ。雄、あなたは心の中でその銀行までの道のりを思い浮かべるだけでいいわ。」
(それだけでいいのか?)
「大丈夫よ。」
どうやら、自身の体をアイリに操られている最中は、僕自身の思考や考えを共有できるらしい。
「わかった! その場所ね」
目的地である銀行を確認したアイリは、二階の僕の部屋の窓を開け、屋根を強く蹴り宙を飛ぶ。
(うわぁー)
あまりの速さのため僕は悲鳴をあげる。
「ちょっと黙ってなさいよ!耳に響くじゃない」
アイリは、次々に違う民家の屋根に飛びつき、あっという間に目的地である銀行の駐車場に着いた。
時刻は午前1:00を過ぎ、月の光が周囲を明るく染める。
「ね〜ここでいいのかしら?」
アイリは、念話を使い管理局の人と連絡をとる。
「はい…そこでしばらくお待ちください」
「わかったわ」
しばらくするとアイリは、何者かの反応を察知した。
「そこのようね!」