(新)エルファ・人形残酷物語4

ぐうりんぼ  2010-02-23投稿
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 子供人形たちはエルファを母親だと認識したのか…

 目を輝かせて、両手を上げピョンピョンと飛び始めた。

「ミャミャー! ミャミャー!」

 ミャミャとは、子供人形独特の幼児言葉でママと言う意味である。

 子供人形たちの声…

 子猫の鳴き声に近い高いトーンである。

「初メマシテ。私ガ、ママヨ!」

 エルファ・ママは笑顔は、笑顔である。

「ミャミャー、ミャミャー!」

「可愛イ、可愛イ」

 エルファ・ママは子供人形たちをしっかりと抱擁し始める。

 マルセルが暗い表情で戻って来た。

「エルファ、人形部屋での準備が出来たわよ」

 いつもなら…

 いつもなら、エルファはニッコリと微笑んで礼を言う。

 自分の身の回りをキチンとしてくれたり…

 話し相手になってくれたりするマルセルに感謝するのだ。

 だが今は、エルファの態度が変わった。

 マルセルには目もくれず、子供人形たちに声をかける。

「ミンナァ、ママト、オ部屋ニ、行キマショウ!」

「ミャーイ!」

 子供人形たちの元気な返事である。

「ミンナ、並ンデ、行進ヨォ!」

 子供人形たちは1列縦隊に並んだ。

「ミャ、ミャ、ミャ…」

 ママの手拍子に合わせて、元気良く行進して人形部屋へと入って行った。

 手拍子をやめたエルファはマルセルの方に視線を向けた。

「食事ノ用意ハ?」

「今すぐ用意してもイイけど?」

「何ヲ、シテイル? スグニ、用意、シナサイ」

 やけに、大きな態度にカチンと来たマルセルは思わず尋ねた。

「どうしたのエルファ?
 何だか急に、冷たい態度になって」

 エルファは何も言わず、ぷぃっと部屋の中に入って行った。

 ドアをバターンと閉められた時は、マルセルは何だか疎外された気持ちになった。



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