(新)エルファ・人形残酷物語5

ぐうりんぼ  2010-02-23投稿
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 マルセルへの冷たい態度とは打って変わって…

 子供人形たちへは優しい笑顔で接するエルファ・ママ。

 部屋の中では子供人形たちは興味津々で辺りを見回す。

「ココガ、ミンナノ、オ部屋」と、ママが説明すると子供人形たちは…

「嬉チィ! 嬉チィ!」

「オ部屋! オ部屋!」

 目を輝かせて大喜び。

 広くて、とってもステキなお部屋。

 私たちの夢のお城。

 そして大好きなエルファ・ママ。

 優しいエルファ・ママ。

 豊かで楽しい生活が始まりそう。

 ママ、よろしく。

 さっそく食事タイムだ。

 ママからナプキンを首に掛けてもらった子供人形たち。

 マルセルがセッティングした子供人形用テーブルに着いた。

 目の前に並ぶ料理に目を輝かせ、喉をゴクリ。

 初めてのメニューは一角牛のバラ肉をトロトロに煮込んだ肉シチュー煮とアイスクリームである。

「サァ、頂キマショー」

 ママの号令で子供人形たちは元気な声を出した。

「頂キ、マーッチュ!」

 一斉に食べ始める子供人形たち。

 凄まじい食いっぷりである。

 マルセルは黙々と子供人形用の備品を整理し始めた。

 あら?

 箱の中に小さな哺乳瓶が紛れ込んでいる。

 瓶には『ルラ用』と表記されたラベルが貼ってある。

 ハァ、まさか!

 マルセルはテーブルについている子供たちの数をカウントした。

 1、2、3…



 …4、5、6…



 …18、19…あれ?

 マルセルがエルファに話しかけた。

「子供が1人、足りないわ!」

「エ?」

 子供人形たちを見回すエルファ。

 何と席が1つ、空いているではないか?

 すると…

 ウィアーンッ!! ウィアーンッ!! ミャミャーッ!! ミャミャーッ!!

 部屋の外から子供人形の泣き声がして来た。

 エルファが外へ出てみると…

 マルセルが優しそうな表情で、1体の子供人形を抱いてあやしているのが目に飛び込んだ。

「ケースの中に取り残されていたわよ」

 マルセルはその子をエルファに見せた。



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