【ごめん。俺が苦しいんだ…】ときむが言った。
その言葉はあたしの心を粉々にした…
同時に目が覚めた…
とうとう言われたその言葉… 一番聞きたくなかった言葉…
精一杯の気持ちを最後に伝えた。
【そっか…あたし…きむの事何にもわかってなかったね。揺るがない気持ちを伝えればきむを元に戻せると思ってた。苦しいきむを救えると思ってた。でも苦しめてたのはあたしだったんだね。気づかなくてごめん。わかった。あたしきむを苦しめたくないからもう連絡はしないよ。それでも忘れるなんて出来ない。それだけは許してください。忘れたくない。きむを愛したことを……ありがとう。会えて良かった】
きむからの返事はなかった。
あたしはやっと不倫という世界から抜け出した。
あたしがいなくなればきむは苦しくなくなる。
きむ、あたしはきむがそう望むなら受け入れたいと思ったよ。
大好きだったから。
大好きだから。
あの日、きむが連れ出してくれた公園で好きだと言ってくれてから4年がたった日の別れだった。