(新)エルファ・人形残酷物語6

ぐうりんぼ  2010-02-24投稿
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「ミャミャー」

 エルファ・ママの目を見て両手を広げる子供人形。

 名前はルラ…

 20体のなかで一番の泣き虫で甘えっ子である。

「私ノ可愛イ宝物。
 ゴメンナサイ、寂シカッタ、デショウ?」

 エルファは優しいママの表情でルラを受け取り、頬ずりした。

「ミャーァ」

 初めてのママの温もりに接して、ルラの表情がほころんだ。

 エルファはそのまま、部屋に戻ろうとした。

「待ちなさい!」

「?」

 背後からマルセルに声をかけられて、エルファは足を止めた。

 振り返ると、マルセルが緊張した表情で立ったままである。

「さっきから私は、アナタや子供たちの世話をしているのに何なの、その冷たい態度は? ありがとうとか、ゴメンナサイとか言えないの?」

「…」

 エルファはクールな眼差しでマルセルを見つめる。

「子供たちがウチに来てから、急に横柄な態度を取るなんて! どっちが主なのかしら!?」

 エルファはカッとなり、いきなり…

 マルセルの頬にビンタを2、3発くらわせた。

 マルセルは怯え、後退りし始める。

 エルファは今までにない、厳しい表情を見せた。

「ヨク、聞キナサイ。
 私ハ、気品溢レル、高級人形。子供タチ、優秀デ素晴ラシキ宝物。 
 下等ナ生キ物デアル、オ前ハ、今後モ、私ニ、忠誠ヲ、誓ワナケレバ、ナラナイ」

「馬鹿じゃないのアナタッ!? この家の主は、この私よ。忘れたのッ!?」

「今日カラハ、コノ私ガ、コノ屋敷ノ主。オ前ハ、私ノ、奴隷」

「エルファ…」

 信じられないような威圧的な態度を取るエルファに、マルセルは呆然となった。

 そのままルラを抱いたまま、エルファは部屋に戻り始めた。

「ミャミャー、オニャキャ(お腹)、チュイチャ(空いた)ー」

 空腹のあまり、ルラィはメソメソ泣き出した。


「可愛イ、ルラ。美味シイ、御馳走、用意、シテルワョ」

 エルファは、優しいママの笑顔で我が子をあやした。

 ルラは暖かいお部屋で、ママからご馳走を食べさせてもらった。

 ルラの場合は…

 人間の母親の母乳を混ぜた肉シチュー煮を哺乳瓶に入れて飲ませるのだ。



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