「え…?」
喫茶店を出たあたしの目に信じたくない光景があった。
「和樹…?」
やっと絞りだした声でさよならをした彼の名前を呟いた。
和樹が喫茶店の前の道を歩いていた。
――…女の子と一緒に…。
和樹、夢があるって言ってたよね?
あたしと会えなくなるからって、あたしの事考えてくれて、だから別れたんだよね?
じゃあ今目に映っているのは違う人かな?
「だから言ったでしょ」
気付いたら高峰智があたしの横に立っていた。
あたしは高峰智を無視して和樹の元に歩いていった。