そして、それから1年…
20体の子供人形たちも、すっかりハーレス邸宅での生活に馴染んでいた。
毎日、優しいエルファ・ママの愛に包まれながら、豊かな暮らしをしているのだ。
広く素敵な部屋で、美味しい物をお腹イッパイ食べ、思いっきり遊ぶ。
夜は温かいお風呂に入って気持ち良く。
優しいママの子守唄を聞きながら、グッスリ眠る。
毎日が幸せ気分である。
ママとの語らいの中で子供人形たちは互いに、ママに対する思いを語った。
人形幼児独特の拙い言葉なので、フツーの言葉に訳してみると…
「私たち、とっても幸せね?」
「幸せ?」
「こんなに広い豪華なお部屋で、ステキなお洋服を着て、美味しいご馳走をお腹イッパイ食べて、思いっきり遊べるじゃなーい」
「そうネェ。私たちって幸せだわ」
「ママのお陰だわ」
「ママのお陰ね」
「サイコーだわ」
子供人形たちの会話にエルファ・ママは終始、笑顔笑顔である。
レレと言う子供人形がママに質問する。
「ミャミャー、コレキャラモ(これからも)、ワタチチャキ(私たち)、チアワチェ(幸せ)?」
エルファ・ママは当然のような顔をして答える。
「勿論。コレカラモ、ズット、幸セョ」
「ウワーッ!!」
子供人形たちは皆、大喜びである。
エルファは今、充実した気分に浸っていた。
この屋敷の物は全てが自分の物なのだから。
弱虫のマルセル・ハーレスなんて、主なんて思わない。
今や…
奴隷として一生、自分の下で働く身なのだ。
私はエルファ…
国一番の気品溢れる超高級人形である。