(新)エルファ・人形残酷物語11

ぐうりんぼ  2010-02-25投稿
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 マルセルがやって来た。

「エルファ、私は町へ出かけるから」

 マルセルの言葉遣いが気に障ったのか?

 傍にあったカップを投げつけた。、

 カップはマルセルの額に当たって、粉々に砕け散った。

 怯えるマルセル。

「無礼者ッ! 私ヲ、誰ダト思ッテルッ!? チャント、ヒザマヅイテ、敬語ヲ、使イナサイッ!」

 マルセルはその場にひざまづいて頭を下げた。

「申し訳、ありません」

「ミャハハハハハーッ!
 ミャブ! ミャブ!」

 おしゃぶりをくわえたままのルラが笑う。

 下を向いたままのマルセルは何も言わず、ジッと耐えたままである。

 エルファが指示を出した。

「明日ノ夜ハ、可愛イ、子供タチノ、バースデーパーティー。美味シイ御馳走、沢山、作リナサイ」

「かしこまりました」

 頭を下げたマルセル。

 子供人形たちから歓声が上がった。

「ビャーチュデー、ピャーチィ! ウレチィ、ウレチィッ!」

「ピャーチィ、ピャーチィ、ウレチィッ!」

 バースデーパーティーとは…

 子供人形たちが屋敷へ来てから丁度、1年を迎えての祝賀である。

 エルファが言った。

「明日ノ夜ハ、ミンナデ、楽シイ、パーティー、開キマショウ」

「ミャーイッ!」

 上機嫌の子供人形たち。

 その様子を…

 部屋の外のドア越しから、怒りの眼差しで見ている1人の人間の女性。

 私用の為に暫く、北の魔界へ行っていたグロリア・ハーレス…

 マルセルの妹である。

 人形たちの軽蔑な眼差しを背中に受けて、マルセルは暗い表情で人形部屋から出て来た。

 自室に入って、安楽椅子にぐたーッと腰掛ける。

「ハァ」

 思わず、ため息が出てしまった。

「姉さん」

 グロリアが入って来た。

 顔を上げるマルセル。

「グロリア…」

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