藤崎康介と出会ってから二日目…
「せんせー!!教科書忘れた!!」
授業が始まり先生が教室に入ってきたと同時に隣の藤崎君が勢いよく立ち上がった。
「おい、藤崎ー…授業初日でそれかー?」
「すんません!!」
先生はまったく…といった表情でいた。
同じ教室にいた派手な女の子達は「康介、ウケるー!」とか言って手をバシバシ叩いて、男子は「さすが康介!!」とか言ってる…。
何がそんなに面白いのですか?
どうしてさすがなのですか?
周りの空気にあたしは着いていけなかった。
「じゃあ、隣のヤツに見せてもらえ」
「はーい」
あーあ、隣の席の人は教科書見せなきゃいけないなんてかわいそう…。
隣って誰だったっけ?
「安野さん、見せてー」
あ、そうだった、あたしじゃん。
…て、あたしか!!!
あたしは仕方なく教科書を机と机の真ん中に置いて授業を受けることになった。