詐欺人生

爽健美茶  2010-02-26投稿
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今日も俺は電話する。それが俺の仕事だ。
「あっ!オレオレ!」
「・・・・たかし?」
「そうだよ。ちょっと事故しちゃってお金が必要なんだ。ごめんなさい。親に迷惑かけられないし・・・・」
「いくら必要なの?」
「136万・・・・急ぎなんだ」
「いつもの口座に振り込めばいいの?」
「うん。ごめん。」
「わかった」
詐欺ポイント1、親の話題を出す。
詐欺ポイント2、金額はキリを悪くすることで信憑性が増す。
この老人は俺の常連サン。かれこれ4回、計400万を稼がせてもらってるんだか一向に疑う気配すらない。年寄りを騙すなんて簡単だ。
一度このお人好しの老人を拝見したいと思ってた俺は毎回振り込みに行ってる銀行を教えてもらい足を運んだ。
老人が来るのが楽しみだ。




一人のカモ・・・・老人がトボトボ歩いてきた。






あれ?








俺のおばあちゃんじゃん。






実の祖母を標的にしていたのか。





あれ?








俺の親は3年前に死んだんだけどな。なんで祖母は騙されてんだ?



そっか…




俺が詐欺をしてるって知った上で振り込んでたんだ・・・・










なるほど。騙されてたのは俺のほうなのか。








今俺は祖母から頂いた400万をまっとうな仕事をし、返そうとしてる

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