窓際の席、前から6番目
そこは、私の特等席。
空が、綺麗だった。
雲と青空が交じり、晴れているのか曇っているのかよくわからない微妙な空の色が、私の目には凄く綺麗に見えた。
正直、驚いた。壊れた人形のような私の心にまだそんな感情が残っていたなんて。
感情は消え失せ、涙すらでない、渇ききった心に残ったものなんて無いと思っていた。
けれど、私は綺麗だと感じた。
今窓に映る空の色を。
でも、それで何かが変わるわけじゃないだろう。
それで私の感情が全て戻って来るのならば、私は此処まで酷くなりはしない。
戻って来て欲しいとも、このままでいたいとも思わない。
正直、そんなものはどうでもいい。
きっと、私はなにもかも諦めているのだろう。
生きることも、死ぬことも、
「死」の世界は、きっと崖下みたいなものだろう。
そこに墜ちれば、死ぬ。
私はきっと、その崖っぷちに居るんだ。