最上級のサービス(前編)

 2010-02-27投稿
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俺は行きつけのバーにその女を連れ、いつものカウンターに腰掛けた。

女とは、つい30分前出会ったばかりだ。

今まで利用したことが無かったが、会員制のいわゆる“デートクラブ”というやつで、自分の好みに応じた女性とデートが出来る。

但し、その後のコトの成り行きは当事者しだい。

『当店のサービスは最高ですよ』――その言葉に釣られ俺は申し込んだ。必ず上手くいってみせる。

俺も今年で30才。独身で彼女もいないが、社内の女性をデートに誘うとなると色々面倒臭い。

だけどコレなら、まどろっこしい駆け引きなしにデートも出来る。俺にはぴったりのシステムだ。

女は胸元の開いたセクシーな白のブラウスに、すらりとした美脚を覗かせた革のタイトスカートを穿き、大人の女の魅力を醸し出していた。

年齢は30代後半あたりだろうか。まさに俺好みの“年上の女”といった感じだ。

俺は水割りを飲むフリをしながら、さっきから女の様子をまじまじと観察していた。

――いい女だ。

そしてタバコをふかしながら天井を仰ぐ女と、時々視線が絡み合う。

その度に俺はドキドキした心を抑えながら、微笑み返すのだった。

やがて女は、俺に向かってこう言った。



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