花音は、沙希が行ってしまった事に心の中で、「（当たり前か…。）」と思った。
「結城さん、一緒にご飯食べない？」花音は、菜々の席の前に廻り、聞いた。
「いいの？沙希さん。私に気を使わなくても、大丈夫だよ。ありがとう。」菜々が言った。
「私が、一緒に食べたいと思ったんだ。嫌なら…。」
花音が言い終わる前に、菜々は、机の上を片付けながら…。
「机私のだけじゃせまいかな？」
笑いながら言ってくれた。菜々の側に花音は、もう一つ机をくっつけた。
それから…花音は、菜々とお昼を食べる事が、習慣になった。
花音は、菜々といると自分まで元気になれる気がしていた。
沙希は、そんな二人を横目で見ながら少し腹がたっていた。
いつものように沙希が花音に駆け寄ってきた。
「おはよう！どう最近。花音私といるより結城さんといる方が楽しそうだね！」
沙希は、少し言い過ぎたかな？と思った。
「そうかな？」花音は、淡々と応えた。
「ただ…
何も考えずに日々生活していた時よりは、楽しくなってきたかも？沙希も一緒にどう？」
花音の質問に沙希は、ちゃんと言おうと思った。
「まだ無理かな…。っていうか私の中で何か結城さん同情ひかれたいのかなぁとか、考えちゃうんだよね。
パフォーマンスだったりなんてさぁ」
沙希の言葉に花音は、心が痛かった。
でも…以前の自分もそうだったろうと思うと、何も言えなかった。
「そっかぁ。気が向いたら声かけてよ。沙希の話し面白いし昼休み楽しくなるからさ！」
沙希は、花音の言葉に少し喜んだ。
学校に着くと、菜々が何だか床に這いつくばったり、もがいていた。
花音は、駆け寄り「結城さん！どうしたの？」
「あぁ。おはよう。あのー、パソコンの…コンセント…が…外れて…しまって…。」菜々は、息を切らしながら言った。
「あっ、私がやるよ」
そういうと花音は、ものの数秒でコンセントを入れた。
「ありがとう。助かったぁ」菜々は、物凄い汗をかいていた。
「…。（そっかぁ。筋肉が自分のいう通りに動かないんだった。）」
花音は、単純な事にも大変なんだという事を実感させられた。
花音は、ゆっくり、教室を見回した。
ほとんどのクラスメートがいた。
みんな知らん顔。いや、見て見ぬ振りしていたんじゃないか？と思った。
花音は、生まれて初めて物凄い怒りと悲しみを覚えた。
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