花音は、五十嵐の挨拶を流しながら、
「で…ボランティアの人と何処かに行くの?」と聞いた。
「ううん。帰り道。そうだ!一緒にお茶でものまない」菜々の誘いに、
「あっ、いいね。高校生じゃ酒っていうわけにもいかないしな」菜々の誘いにノリノリだったなのは、五十嵐だった。
花音は、戸惑ったが…とりあえず、行く事にした。
三人は近くの ファミレスに入った。
三人は、注文するとドリンクコーナーにいった。花音は、菜々の事を気にしながらホットココアを入れて席に着いた。
そこで、花音は、五十嵐の行動を呆然と見ていた。
五十嵐は、菜々の側で会話をしながら、菜々がドリンクを入れ終わるのを待っていた。
菜々が 溢れそうに飲み物を運ぶ姿を後ろから人にぶつからないようにそっと見守っていた。
五十嵐の自然な行動に心が揺れた。
「…。(この人、変じゃないのかも。ちょっと 軽い感じだけど…。)」
花音は、五十嵐を見ていると、「おっ!桐生さんだっけ?早速、俺に惚れちゃたのかよぉ」
「(やっぱり、軽い!)」と花音は、思った。
(まぁ、顔はいいから、モテるだろうと予測は、つく。)
「結城さん、どこかへ出掛けたの?」花音は、話を戻した。
「そうだなぁ。自立支援とか、難しい名前付いちゃってるけど、たまり場かな?」菜々の説明に余計分からなくなった。
すると五十嵐が話し出した。
「桐生さん、障害を持っている人が、普通に暮らす大変さは…たぶん、想像以上に大変だと思う。それは、物理的にも社会的にも。
でも…もっと、大変なのは、精神的な壁さ」
五十嵐は、続けた。
「人間、みんなそんなに強くないでしょ。だから…たまり場で…ねぇ〜ナナちゃん」
続けて菜々が言った。
「桐生さん、今度、よかったら来てみてょ。気が向いたらさ!」
「あっ、うん。」
花音は、自分が知らない事がたくさんある事にショックを受けた。
花音は、家に帰ると、菜々が自分に問いかけた(将来の夢、やりたい事)事について考えた。
考えても、答えは出なかった。でも…とりあえず、動こうと思った。
花音は、教室に入ると菜々に駆け寄り「結城さん!」
菜々は、びっくりして、身体に力が入って手足が伸びてしまった。
花音は、「ごめん。急に声かけて。今日、連れて行ってくれる?たまり場。行ってみたの」菜々は、軽く頷いた。