エルファとよく似た姿をしているけど…
礼儀正しく、言葉遣いや発音がハッキリしている。
イメルダはマルセルに礼を言って、その場を去った。
ロッティが笑顔でマルセルに手を振った。
マルセルも笑顔で、ロッティに手を振る。
さて…
グロリアは自宅から持って来た銀行通帳や家計簿、各レシート類をテーブルに広げた。
これにはマルセルは、ビックリである。
どれも、自分が使ってる物ばかりなのだから。
「どうしたの? こんな物を持ち出したりして」
グロリアはコーヒーを一口飲んでから答えた。
「姉さん自身の金の使い方について、知りたいからよ」
「こんな所でなくても、ウチでやればイイのに」
「あんな凶暴な人形が、我が物顔で家中をのさばっていちゃあ安心して語り合えないでしょう?」
「…」
確かに、妹の言う通りかもしれない。
グロリアが通帳見ながら、話しを続けた。
「姉さんの懐の出入りって、相変わらずお盛んネェ。収入も凄いけど、支出も凄いじゃない?」
「まあね」
「特に、人形たちの世話に結構使ってるし」
「生きた人形を家に置いておけば、ペットを飼うのと同じで意外と金はいるものよ」
「大食いで、お嬢様気取りの図体の大きな人形なら、出費の額も半端じゃないかもネェ」
何だかマルセルには、妹の言葉が皮肉に聞こえた。
「何が言いたいの?」
グロリアはマルセルの言葉を無視するように言い続けた。
「しかも、遊ぶ事しか脳のないチビ人形たちをイッパイ置いているから、出費の増加に拍車をかけている」