──朝。目を覚まし、携帯を見る。ズラッと並ぶ嫌な名前。
“山田拓海”
…拒否るのを忘れてたみたい。
朝からテンションはガタ落ちだ。
慎「あ!薫、起きたのー?」
薫「おはよう、慎」
慎「おはよー…変な夢でも見たのか?(笑)」
薫「…どっかおかしい?」
慎「顔色悪い」
薫「まじで〜…夢じゃないけど、店に来る客がうざくて」
慎「あの金持ちの?」
薫「うん。見るからにうざいじゃん?オーラが出てるんだよ」
慎「アホ!はよ食え」
ハムエッグトーストに野菜サラダ。
私達にとっては定番になりつつあるメニューだ。
…美味しい。
慎「今日、俺バイトだから先に行くわー」
薫「わかったぁ〜」
慎「薫も気をつけて行くんだぞ!」
薫「はいはーい」
慎「行ってきまーす」
薫「いってらっさーい」
……慎がバイトに行って一時間。
薫「そろそろ行くかぁー!」
『お遊び倶楽部』は夜だけではない。
昼でも営業している。
だから、この時間帯には家を出ないと、遅刻料金を抜かれてしまう。
──ガチャガチャ
薫「よし!オッケー」
私は家を出た。