ある晴れた午後。
アタシはジャングル公園のベンチで本を読んでいた。
すると、そこへ杖をついた一人のじいさんがやって来た。
じいさんは言った。
「トキハデパートを探しちょるんじゃが、どう行けばいいじゃろ?」
「え…と、そこの出口を左に出て、まっすぐ歩いて突き当たりを…う〜んと…」
方向音痴なアタシは、知ってる道さえ上手く伝えることが出来ない。
アタシは結局、デパートまで直接案内してあげることにした。
一緒に公園を出て、歩き始める。杖をつきながら腰をかがめて歩く、じいさんの歩調がおぼつかない。
道すがらアタシは聞いた。
「デパートで何を買うんですか?」
「孫娘への誕生日プレゼントじゃよ。先日買い忘れたけん…もし良かったら選ぶの手伝ってくれんかの?」
「はぁ…アタシで良ければ」
ちょうどアタシと同じ年頃だと言う孫娘のプレゼントを、じいさんの為に選んであげることになった。
デパートに着いた。
近くのパルコやフォーラスにはよく行くが、トキハは久し振りだ。アタシは何だかワクワクしてきた。
二人で店内を歩く。
ふと目にしたアクセ売場で、アタシは前から欲しかった可愛いフォリフォリの時計を見つけた。