「はぁ、はぁ、…」
体をかがめ休んでいた。
「ここ、スゲーな。」
この神社は何か神聖な雰囲気がした。
奥へ進むと祠らしいものがあった。
「な、なんだここ…ん?い、泉…かな?」
少ない光を受け揺れている水面を覗いた。
「あなたはこの世界を護る騎士です。」
驚いた。急に女性の声がしたのだ。
「だ、だれですか!?」
「私はこの世界を護る騎士を探す精霊です。あなたが2010年からこの世界へ来たのは選ばれた人だからです。」
「世界を…護る騎士?お、俺が?なぜ…」
「私の口からは言えません。今、この世界は荒れています。各地での戦争、身分の低い人は家もありません。そんな地球を見て宇宙にいる、全てを司る神は大変にお怒りです。神はこの選ばれた騎士がこの地球を救えなければ、この地球をあるべき姿に戻すとおっしゃっております。」
淡々と喋り続ける姿もない女性に俺は引き込まれて聞いていた。
「あなたはこの世界を護るのです。そして我ら、人間の力で地球をあるべき姿に戻すのです。」
「俺にそんな事できんのか…、てか俺は前の世界に戻れないのか?」
精霊は始めの質問には答えず
「あなたが役目を果たしたとき、あなたが本当にいる世界へ戻れます。今向こうの世界ではあなたの時間はあの時で止まっております。」
「…そうなのか…、わかった。俺、この世界護って見せるよ。」
すると祠には光が差し込んだ。
「あなたを選んで良かった、頑張ってくださ、い…」
そういい終わると女性の声はしなくなった。